最終更新日:2025/10/13
販売管理システムと会計システムを連携させ、二重入力をなくし転記ミスを減らし、売上や資金繰りをリアルタイムに可視化できます。CSV・APIなどの方式や導入時の注意点を解説し、クラウド型「s-flow」で実現する効率化の具体策も紹介します。

目次
-
1.
-
2.
-
3.
-
4.
-
5.
-
6.
-
7.
-
ビジネスの現場では、販売管理システムと会計システムを連携させて業務を効率化する企業が増えています。販売と会計を別々に管理していると、同じデータを何度も入力する手間が発生し、入力ミスや情報のずれにつながる恐れがあります。その結果、経営判断のスピードや正確性も落ちてしまいます。
そこで本記事では、販売管理システムと会計システムの役割や違いを整理し、両者を連携させる必要性や、連携しない場合に生じる課題を解説します。さらに、システムを連携させることで得られる具体的なメリットや導入時の注意点に触れ、最後に当社のクラウド販売管理システム「s-flow」を活用した解決策をご紹介します。
この記事で分かること
● 販売管理システムと会計システムの役割と違い
● 両システムの連携により得られるメリット
● 連携方法や導入時の注意点、そして「s-flow」による解決策
販売管理システムと会計システムの役割と違い
-
まずは、販売管理システムと会計システムの基本的な役割を整理しましょう。どちらも企業にとって欠かせない仕組みですが、目的や使う場面が異なります。売上や請求情報といった一部のデータは共通するため、違いを理解しておくと後の、両システムの連携の重要性が分かりやすくなります。
販売管理システムの役割
-
販売管理システムは、企業の販売プロセス全般を一元管理するためのシステムです。受注から商品・サービスの納品、請求・入金に至るまで、「もの(商品)」「お金」の流れを適切にコントロールする役割があります。
具体的には、見積管理・受注管理・在庫管理・出荷管理・請求/入金管理など、販売に関わる幅広い業務機能を備えています。販売管理システムを導入することで、複数部門にまたがる販売業務を統合し、業務の効率化と精度向上に大きく貢献します。
例えば、販売管理システムでは受注情報と連動して在庫数がリアルタイム更新されます。在庫不足になれば自動で発注アラートを出すなど、各部署間で情報を共有しながら販売プロセス全体を最適化できます。
会計システムの役割
-
会計システムは、企業の経理・財務業務を効率化するためのシステムです。仕訳入力や帳簿・決算書類の作成、財務データの集計管理などの会計処理を自動化し、正確かつ迅速に行えるようにします。日々発生する伝票処理から月次・年次決算まで、会計に関わる一連の業務をサポートするのが主な役割です。
例えば、売上や経費の記帳、財務諸表の作成、債権債務の管理、税務申告用データの出力など、多岐にわたる機能を備えています。会計システムを導入することで、経理作業の効率化とミスの削減が図れ、企業の財務状況を適切に把握・報告できるようになります。
両システムの管理対象の違い
-
まとめると、販売管理システムは主に「販売プロセス(ものとお金の流れ)」を扱うのに対し、会計システムは「企業全体のお金の記録と報告」を扱う点が大きな違いです。それぞれ以下のような特徴があります。
販売管理システム ● 顧客対応から出荷・在庫・請求まで、受注から入金までの業務フローを管理する。
● 現場の営業や販売部門で利用され、売上データや在庫情報など日々の商取引データを扱う。会計システム ● 発生した取引を会計帳簿上の数値(仕訳)として記録・集計する。
● 経理・財務部門で利用され、最終的に貸借対照表や損益計算書といった財務諸表を作成するためのデータを管理する。販売管理システムが発行した請求書データや売上金額は、会計システム側では売上高として仕訳記録される必要があります。先述したように、一部のデータは両システムで共通していますが、販売管理は業務プロセス重視、会計管理は数値の正確性と報告重視という視点の違いがあります。
両システムを連携させる必要性とは? 連携しない場合の課題
-
販売管理システムと会計システムは役割が異なるものの、どちらも売上・仕入・請求といった共通データを扱います。
本来なら一度の入力で済む情報も、システムを別々に運用していると二重入力や確認作業が必要となり、業務の非効率やトラブルにつながります。ここでは、連携しない場合に特に起こりやすい3つの課題を整理します。
データ入力の手間と重複作業
-
販売管理システムに登録した売上や請求の情報を、会計システム側に再度入力しなければならないケースは珍しくありません。
売上や仕入は日々大量に発生するため、二重入力の積み重ねは大きな負担となり、担当者の時間を奪います。結果として、他の重要な業務に使える時間が減り、組織全体の生産性低下を招きます。
入力ミスの発生
-
手作業での入力や転記はどうしてもヒューマンエラーがつきものです。数字の打ち間違いや入力漏れが発生すれば、請求額の誤りや伝票不備につながります。
こうした小さなミスが積み重なると、経営データそのものが不正確になり、決算や税務申告に影響を及ぼす恐れもあります。人手による確認や修正に余計な工数がかかる点も、非効率の大きな要因です。
情報反映の遅れ
-
販売部門で入力された最新の売上情報が、会計システムにすぐ反映されなければ、経営層は正しい財務状況を把握できません。
情報の遅れは、資金繰りや在庫調整の判断を誤らせ、ビジネスチャンスを逃すリスクを高めます。特に経営判断のスピードが求められる現代において、データがリアルタイムでつながっていないことは大きな問題です。
販売管理システムと会計システムを連携させる4つのメリット
-
販売管理システムと会計システムをつなげることで、業務の効率化や経営管理の精度向上など、多くのメリットが生まれます。ここでは、連携によって解決できるポイントを4つに分けてわかりやすく解説します。
データ入力作業を効率化できる
-
販売管理システムに入力した受注・売上データが、自動的に会計システムへ反映されます。これにより、これまで必要だった二重入力が不要になり、作業時間を大幅に削減できます。
担当者は空いた時間をより重要な業務に充てられる他、伝票処理や集計もスピーディーに行えるようになります。
ヒューマンエラーを大幅に減らせる
-
システム間での自動データ連携により、手入力ミスや伝達漏れを防止できます。例えば、売上情報が自動転送されれば、金額の入力ミスや入力忘れによる請求漏れも未然に防げます。
正確なデータが各システムで保たれることで、帳簿ずれの修正や誤請求対応に追われるリスクも減らせるでしょう。
リアルタイムに経営状況を可視化できる
-
販売管理と会計が連携していれば、売上・仕入から利益・費用まで一貫したデータが常に最新状態で共有されます。経営陣はリアルタイムの業績データを基に迅速かつ的確な意思決定が可能となります。
例えば、月末を待たずとも当月の売上や利益状況を把握できるため、機動的な戦略修正や資金繰り対応が行えるようになります。
人件費の削減につながる
-
手入力作業の削減と業務効率化により、残業や人手に頼った作業を減らす効果も期待できます。実際、販売・経理部門の双方でシステム連携を導入した結果、月次決算の早期化や残業時間の大幅カットにつながり、人件費の削減につながっていくでしょう。
また、効率化で生まれた時間をコア業務に振り向けることで生産性が向上し、結果的にコストパフォーマンスの高い運用が実現できるでしょう。
販売管理システムと会計システムの主な連携方式
-
販売管理システムと会計システムをつなぐ方法はいくつかあり、シンプルに始められるものから、専門的な仕組みを使うものまでさまざまです。それぞれに特徴や注意点があるため、自社の取引量やIT環境に合った方法を選ぶことが大切です。
ここではよく使われる3つの方式を紹介します。
CSVによる連携
-
もっともシンプルなのがCSVファイルを使った連携です。販売管理システムから売上データをCSV形式で出力し、それを会計システムに取り込む方法です。専用のプログラム開発が不要で導入しやすいのが大きなメリットです。
一方で、データの出力や取り込みを手作業で行う必要があるため、タイムラグが発生しやすく、取引件数が多い企業では手間が大きな負担となる可能性があります。日次や頻繁なデータ連携には不向きな方式です。
データベースによる連携
-
次に紹介するのは、データベース連携です。データベースとは、大量の情報をまとめて保存し、必要に応じて呼び出せる仕組みです。販売管理と会計の両システムが同じデータベースを使ったり、直接つなげて同期することで、データをほぼリアルタイムで共有できます。
正確性が高くスピーディーですが、設定や運用には専門知識が必要です。主に社内サーバーで運用するオンプレミス型システムで使われる方式で、クラウド型サービスではあまり現実的ではありません。
APIによる連携
-
最近主流になっているのがAPI連携です。APIとは、異なるシステム同士をつなぎデータをやり取りするための窓口のようなものです。販売管理システムから会計システムに直接データを送れば、自動で仕訳や伝票が作成されます。
リアルタイムに最新情報を共有できるのが大きな利点です。さらに「Webhook」という仕組みを使えば、片方でデータを更新したときにもう一方も自動で更新されるなど、柔軟な連携が可能になります。
ただし、両方のシステムがAPIに対応していることが前提であり、初期設定や認証作業に少し手間がかかる点には注意が必要です。
連携方式を選ぶ際のポイント
-
販売管理システムと会計システムをつなぐ方法を選ぶときは、自社の取引量や業務スピードに合わせて判断することが大切です。リアルタイムに反映したいならAPI連携が有効ですし、月1回の取り込みで十分ならCSV連携でも問題ありません。
その上で、以下の3つの視点を必ずチェックしておきましょう。
システムの対応状況を確認する
-
まず、使っている販売管理システムと会計システムがどの連携方式に対応しているかを確認しましょう。特にAPI連携を希望する場合は、両方のシステムがAPIを提供していることが前提です。
もし会計ソフトが対応していなければ、CSV取り込みなど代替手段を用意できるかベンダーに確認しておく必要があります。
データ形式の相違を調整しておく
-
システム間でデータをやり取りする際は、マスタと呼ばれる基礎データをそろえておくことが欠かせません。
例えば、販売管理システムでは「株式会社○○」と会社名で登録していても、会計システムでは「取引先ID:123」といったようにIDで表記されている場合があります。事前に対応表を作り、整合性を取っておかないと、連携後に仕訳エラーが出てしまうこともあります。
ベンダーによるサポートを活用する
-
高度なAPI連携や細かな設定を自社だけで行うのは大変です。そのため、システム提供会社のサポートを積極的に利用しましょう。
クラウド型のサービスであれば、連携設定の支援や運用時の相談に対応してくれることが多いです。特に初めて導入する場合は、担当者と一緒に進め、不明点は早めに解決することで安心して運用をスタートできます。
s-flowで実現する販売管理と会計のシームレス連携
-
販売管理システムと会計システムを別々に使っていると、二重入力や情報のずれが発生しやすく、業務効率が下がってしまいます。
そんな課題を解決するのが、当社が提供するクラウド型販売管理システム「s-flow」です。販売・仕入・在庫・入出金の管理に加え、会計システムとの連携機能を標準で搭載。導入直後から主要な会計ソフトとスムーズにつながり、販売から経理処理まで一貫した業務効率化を実現します。
1. 主要会計ソフトとすぐにつながる
-
s-flowは、freee会計・弥生会計・マネーフォワード クラウド会計など、中小企業に広く利用されている会計ソフトと連携可能です。たとえばfreee会計の取引連携機能では、APIを通じてシームレスに接続でき、s-flowで作成した売掛金や買掛金のデータ登録時に自動で連携・反映できます。
これにより「見積 → 受注 → 請求 → 入出金管理 → 会計処理」という一連の流れを途切れなくつなげられます。
2. 経理業務を自動化する多彩なオプション
-
会計ソフト連携にとどまらず、経理の手間を減らす機能も豊富です。たとえば、銀行口座の入出金明細を自動取得するサービス「MoneyLook」と連携し、入金消込を自動化可能です。
さらに、ネットバンキングへ支払データを直接連携できるため、振込作業の効率化にもつながります。こうした機能を活用すれば、手作業を大幅に減らし、経理部門のDX(デジタルトランスフォーメーション)を後押しできます。
3. 中小企業に優しいクラウド型サービス
-
s-flowはクラウド型なので、インターネット環境があればどこからでも利用できます。リモートワークでも販売・会計データをリアルタイムに共有できるのが強みです。
さらに、初期費用は0円、月額利用料は4,800円~と低コストで導入できるのもポイント。標準機能として会計連携を備えているため追加開発は不要で、短期間でスムーズに運用を始められます。
まとめ
-
販売管理システムと会計システムの連携は、単なるIT上の接続に留まらず、企業全体の業務プロセス改革につながる重要な取り組みです。両システムを統合することで得られる効率化や精度向上のメリットは、特に限られたリソースで事業を運営する中小企業にとって大きな価値となります。ぜひこの機会に自社のシステム環境を見直し、連携による最適化をご検討ください。
- クラウド販売管理システム【s-flow】コラム編集部
- s-flowのコラムでは、販売管理・受発注管理・在庫管理・入出金管理をはじめとした各業務や管理に関連する「お役立ち情報」をご紹介しております!