コラム 帳票レイアウトのカスタマイズ

見積書や請求書のレイアウトを既存のフォーマットに合わせられるか?販売管理システムを選定する際の重要なポイントになってきますよね。できれば、ベンダーによる有償カスタマイズではなく、製品に帳票レイアウトをカスタマイズする機能があって欲しいものです。他社製品の調査も交えつつ、Excelベースで簡単に使えるs-flowの帳票カスタマイズ機能をご紹介させていただきます。

帳票カスタマイズ機能をもつ販売管理システム

  • 販売管理システムで、帳票レイアウトをカスタマイズする機能を調査してみましたが、そういった機能をもっている製品はあまり多くありません。以下に、記載のあるページをいくつかご紹介します。

    1)クラウドERPシステム「スマイルワークス」(株式会社スマイルワークス)

    帳票出力システム「PrintPro」(別料金)と連携することで、対外帳票(単票)のレイアウト変更が可能です。

    ※ 初期費用:¥10,000 月額利用料:¥9,000 (3ID の場合/ 追加ID:¥5,000)

    2)販売管理ソフト 弥生販売 21(オンプレミス)

    「帳票レイアウタ」機能で対外帳票(単票)のカスタマイズが可能です。画面上で部品を選択して配置していく形式です。かなり複雑な帳票の作成も可能そうですが、慣れるまでの学習コストが高そうです。

    ※ 初期費用:¥44,000 保守費用(年額):¥27,200 (スタンダード & セルフプラン)

販売管理システムと連携して使用する帳票作成ツール

  • 続いて、販売管理システムと連携して使用する帳票作成ツールについても調べてみました。こちらは、事前にテンプレートを作成しておき、販売管理システムから出力したcsvやJSONファイルを投入して印刷するツールもしくはクラウドサービスです。製品によっては、出力した帳票の管理や自動送信など、多岐にわたる機能を有するものもありますが、別途費用が発生してしまうことと販売管理システムから直接出力できない点がネックになるかもしれません。

    1)帳票作成ツール「Create!Form」(インフォテック株式会社)

    専用のGUIアプリケーションを用いてマウス操作で部品を配置する形でレイアウトを設計できるツールです。入力データは、テキストファイル、CSVファイル、XMLファイル、データベースが使用できます。弥生販売の帳票設定と同様に、学習コストは高いと言えそうです。

    ※ 初期費用:¥500,000 サポート費用(年額):¥75,000 (1ライセンス + Excel出力)

    2)帳票作成ツール「PrintPro 2.0」(JBアドバンスト・テクノロジー株式会社)

    「スマイルワークス」から連携可能な帳票作成ツールです。専用のGUIアプリケーションでオブジェクトを配置する形でレイアウトを設計し、csvを渡すことで帳票が出力できます。

    3)クラウド帳票開発エンジン「Docurain」(ルート42株式会社)

    Excelのテンプレートを取り込んで出力できるという点で、「s-flow」に近いと言えそうです。データはJSON形式で渡します。また、月額費用が掛からない料金体系も特徴ですね。出力ごとに課金される形式ですので、月額が変動してしまうので、注意が必要です。誤って大量に帳票を出力してしまうと、課金額が想定以上に高くなってしまうリスクもありそうです。

    ※ 初期費用:¥0 利用料:5円~/1帳票(月額最低金額:¥300)

簡単に使えるs-flowの帳票カスタマイズ機能

  • 「s-flow」には、導入してすぐにお使いいただけるように、デフォルトで数々の帳票をご用意しております。もちろんそのままお使いいただくことも可能ですが、帳票の追加や変更などのカスタマイズが可能です! 帳票レイアウトの定義にExcelテンプレートを使用しているので、レイアウトの調整や変更も簡単に行えます。もちろん追加費用は不要で、Excelがインストールされていれば標準機能でお使いいただけます。

  • 例えば“特定の得意先にだけ、納品書に追加出力したい情報がある”といった場合には、複製機能を使用して同じものを用意した後、追加したい表示項目をExcelテンプレートに追加することで、特定の得意先専用の納品書を追加する、といったことが可能です。

    また、完全に新規の帳票を作成することも可能です。例えば、現行で出力している帳票があれば、そのExcelファイルをご用意いただき、「s-flow」から出力可能な情報の配置を設定することで、再現することが可能です。そのため、別の販売管理システムからの乗り換えや、新規でシステム導入する場合も、既存の帳票から大幅にレイアウトが変わってしまう、ということが発生しにくくなっています。

    見積書や納品書・請求書といった対外帳票(単票)だけでなく、売上分析表・売掛残高表・買掛残高表といった管理帳票(集計帳票・分析帳票)にも対応しております。

帳票カスタマイズの具体例

  • カスタマイズ可能な内容を簡単にご紹介します。

    1)表示項目の変更

    帳票のどこに、どんな情報を出力するのかも、エクセルテンプレートで定義できます。「s-flow」で入力した情報を帳票上に出力したい場合は、プロパティと呼ばれる。“<”と“>”で括られた値を設定します。例えば、商品名称であれば“<商品名称>”、商品マスタの型番であれば“<商品.型番>”です。エクセルファイル上で、固定値とプロパティを配置することで、直感的に自由に帳票を設定できます。プロパティはこちらよりいつでも確認することができます。

    2)文字サイズやフォントの変更

    エクセルテンプレートにて文字サイズやフォントを変更して取り込むだけで、簡単に変更ができます。もちろん、文字の色やセルの色、縮小して表示する設定なども使用できます。エクセルを普段からお使いの方であれば、難なく変更可能です。

    3)会社ロゴや社印の出力

    会社ロゴや社印は、エクセルテンプレートに画像を配置して取り込むことで、出力することができます。エクセル上に配置するだけなので、位置やサイズも直感的に調整することができます。

    4)担当者印の出力

    担当者印については、ユーザーマスタの「添付ファイル」タブにて、印鑑画像を登録することで出力できます。この時、「タグ」に“個人印”と設定する必要があります。デフォルトで登録されている帳票ですと、見積書や納品書などの単票に表示されます。

    5)商品画像の表示

    商品マスタの「添付ファイル」タブにて、画像を登録することで商品画像を出力することもできます。「タグ」には“サムネイル”と設定します。デフォルトで登録されている帳票のうち、受注一覧と発注一覧の「商品確認票」に表示されます。