コラム 帳票の記入ミスはなぜ起こる?どう防ぐ?

見積書や請求書などの帳票作成では、業務を人間が担当する以上、記入ミスがつきものです。とくに限られた人員・時間の中で、さまざまな作業に追われている事業所では、多少のミスが出るのは仕方ないでしょう。

とはいえ、帳票の記入ミスはなくすに越したことはありません。あまりに記入ミスが多いと、訂正の対応に余計な労力がかかったり、相手先の信用を失ったり、ときにはもっと大きいトラブルに発展してしまう恐れもあります。

そこで今回は、帳票の記入ミスが起こる原因と、今日から実践できるミスをなくすための対策を紹介します。帳票にミスが多くてお悩みの担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

帳票の記入ミスが起こる原因

  • 帳票の記入ミスで代表的なものとしては、数量や金額の誤入力、締請求の漏れ、二重請求などが挙げられます。こうしたミスはなぜ起きてしまうのでしょうか。ミスの原因としては、主に以下のような事柄が考えられます。

人数やマニュアルなどの作業体制に不備がある
  • 帳票ミスが起こる原因としてありがちなのが、人員体制の不備です。例えば、一人の社員が、帳票の作成業務とほか多数の業務とを兼務していて、集中力が低下した状態で、時間に追われながら見積書を作った。このような状況では、ヒューマンエラーが出るのも当然です。

    またマニュアルやチェックリストの不備によっても、記入ミスは起こります。とくに帳票業務の経験に乏しい新人が作業を行う場合などは、しっかりしたマニュアルがないと完璧な帳票は作れないでしょう。上司からの口頭での指示だけでは、大まかには作れても、細部にはミスが出る可能性があります。

膨大な紙資料をもてあましている
  • データではなく紙で情報を管理していることが、記入ミスの原因になっている可能性もあります。膨大な紙資料が適切に整理されておらず、ピックアップすべき資料を見落としたり、紛失したりしてしまう。こうしたことは紙資料で情報を管理することのリスクだといえます。

    とくに人手が限られている事業所では、紙資料の整理まで手が回らないケースも多いため、情報管理の方法から根本的に見直す必要があるでしょう。

見積の一部受注や分納があった場合に数字を打ち間違える
  • 紙資料ではなくExcel管理であっても、手動で入力する限り、ミスは起こり得ます。よくあるのが、見積の一部受注や分納が発生した場合に、納入数量や金額を打ち間違えてしまうケースです。単純に一部受注や分納のことを忘れていたり、元の数値と新しい数値を混同したりして、誤入力が起こります。

各案件の進捗状況を社内で共有できていない
  • タスクごとの進捗状況が、関係者全員で共有できるような体制が整っていないことも、帳票作成でミスが起こる原因となり得ます。例えば、一人の社員が取引先に請求書を送ったとして、そのことを社内で共有していなければ、別の社員が再度請求書を発行してしまうかもしれません。
    また、逆に本来は請求を行わなければいけない伝票が、締請求から漏れてしまう場合もあります。二重請求や締請求漏れが発生すると、取引先の信用を大きく落とす恐れがあります。

    同様に、タスクの途中で契約内容や金額などに変更があった場合も、それを関係者全員が把握できる体制がないと、古い情報で帳票が作られてしまいます。進捗情報を関係者全員で適切に管理することも、記入ミスを防ぐうえで重要です。

帳票の記入ミスをなくす方法

  • 前項で解説した原因を踏まえ、ここからは帳票の記入ミスをなくすための方法を考えていきます。ちょっとした工夫や取り組みでミスを大きく減らすことも可能なので、以下を参考にしてみてください。

ダブルチェックを実施する
  • 最も簡単に実践できるのは「ダブルチェック」です。帳票作業の担当者を少なくとも二人は作り、記入した内容に不備がないか、お互いに確認します。経営者や管理職が最終チェックをしてから、相手先に送るというルールにするのも良いでしょう。
    単純な方法ですが、一人で確認していた作業を二人にするだけでも、ミスの確率を大きく減らすことが可能です。

マニュアルやチェックリストを整備する
  • 「これに沿ってやればまずミスは起きない」というマニュアルやチェックリストを作成することもおすすめです。とくに帳票業務の経験が少ない担当者に業務を任せる場合には、マニュアルやチェックリストを渡したほうが親切であり、安全でもあります。

    マニュアルは記入中の確認、チェックリストは記入後の確認に有効であり、自然とチェックする回数が増えることも、ミスの軽減につながります。

紙資料をやめて電子化する
  • 膨大な紙資料をもてあましている場合には、思い切って紙資料をやめるのも一つの選択肢です。情報管理を電子化すれば、紙を紛失したり、見落としたりといったことが原因のミスを防止できます。
    また紙資料の印刷や整理にかかる時間、コストをなくせるため、業務の効率性・生産性が上がるという副次的なメリットも得られます。

販売管理システムを導入する
  • 帳票作成の機能がついた販売管理システムを導入するのもおすすめです。販売管理システムを導入するということは、つまり「帳票の作成を自動化する」ことを意味します。
    帳票作成をシステムに任せてしまえば、既に登録されている価格で帳票が作成されるので、金額の誤入力の心配がありません。
    また、販売管理システムには、ワークフローを管理・確認できる機能も備わっており、各タスクの進捗状況を社内で共有するのにも役立ちます。そのため一部受注や分納が発生した場合もシステム上ですぐに確認できたり、情報管理の不備により、二重請求や締請求漏れ等が起こってしまうリスクも少ないです。

販売管理クラウド「s-flow」でできること

  • 帳票の記入ミスをなくすために販売管理システムを導入しようという場合は、販売管理クラウド「s-flow」をぜひご活用ください。s-flowは1ユーザー月額2,800円(税抜)で、初期費用・基本利用料なしで使えるため、費用の負担を心配せず気軽に導入できます。
    以下では、帳票作成に関して、s-flowでできることを紹介します。いずれも帳票の記入ミスを減らすのに有効な機能ばかりです。

登録データからワンクリックで帳票作成

  • s-flowでは、登録したデータをもとにワンクリックで帳票が出力できます。すぐさま自動で出力が行われるため、手間が省けることはもちろん、入力ミスが起こる心配もありません。

    この機能は、納品書と照らし合わせて請求書を作る際にとくに重宝されます。 Excel管理(手動入力)の場合、納品書と請求書では同じ内容を入力する必要があるため、転記ミスや重複が起こりがちです。
    一方s-flowでは登録されているデータを元に帳票が作成されるので、転記ミスや重複は起こりません。

取引先ごとに帳票レイアウトをセルフカスタマイズ

  • s-flowには、帳票レイアウトのセルフカスタマイズ機能が備わっており、取引先ごとに異なる帳票のテンプレートを登録することが可能です。さまざまなレイアウトを編集、使い分けできるので、円滑な帳票作成につながります。

    ちなみに帳票レイアウトのカスタマイズは、Excelを使って行います。システム導入前に使っていたExcelの帳票デザインをそのまま使用することも可能です。

電子帳票保存法にも対応

  • 2022年1月に電子帳簿保存法が改正され、帳簿書類にまつわる電子データの要件や保存ルールが変更されました。

    s-flowは、この電子帳簿保存法にも対応しています。設定で「(電子帳簿保存法に)対応する」にチェックを入れるだけで、簡単に同法に沿った帳票の運用が可能です。
    ※電子帳簿保存法については、こちらのコラム記事に掲載しています。

まとめ

  • 今回は帳票の記入ミスが起こる原因と、ミスをなくすための方法をいくつか紹介しました。簡単に実践できるところでは、「ダブルチェック」や「マニュアル・チェックリストの見直し」が挙げられます。
    また月額2,800円(税抜)の販売管理クラウド「s-flow」を導入するのもおすすめです。s-flowでは、登録データから自動で帳票を作成できるので、転記ミスや重複を含め、ヒューマンエラーによる記入ミスを防止することができます。
    加えて、帳票レイアウトを簡単にセルフカスタマイズし、取引先ごとのデザインを登録することも可能です。帳票業務が一気に楽に簡単になるようなツールなので、ぜひお試しください。