最終更新日:2026/04/13
本記事では、受発注管理システムでできることを整理したうえで、クラウド型の導入しやすさ・コスト・運用負担の軽さ・連携のしやすさといったメリットを解説します。自社に合う製品の選び方や失敗しない進め方も紹介するので、Excel運用に限界を感じている方はぜひ参考にしてください。

目次
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受発注業務は、受注内容の転記、発注書の作成、在庫の引当、納期調整、請求書の作成など工程が多く、Excelや紙、メール中心の運用ではミスや手戻りが起きやすい業務です。特に取引先や拠点が増えるほど情報が分散し、受注残や欠品、未請求といった「見落とし」が発生しやすくなります。
こうした課題を解決する手段として注目されているのが、クラウド型の受発注管理システムです。導入のしやすさに加え、情報共有や連携を強化しやすい一方で、製品ごとに機能や得意領域が異なるため、選び方を誤ると定着しないケースもあります。
本記事では、受発注管理システムでできることとクラウド型のメリットを整理した上で、失敗しない選び方のポイントを分かりやすく解説します。
この記事で分かること
● 受発注管理システムの概要と具体的にできること
● オンプレミス型と比べた、クラウド型受発注管理システムのメリット
● 自社に合うクラウド型受発注管理システムの選び方
受発注管理システムとは?
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受発注管理システムとは、取引先からの受注、仕入先への発注、在庫の引当、出荷・納品、請求といった一連の業務を、同じデータの流れで管理できる仕組みです。受注内容を起点に、発注量や納期、出荷指示、請求書作成までが連動するため、属人的な管理や二重入力を減らしやすくなります。
従来は、電話・FAX・メールで受けた注文をExcelに転記し、別途発注書を作り、在庫表を更新し、月末に請求書をまとめて作成するといった運用が一般的でした。この方法は柔軟に見える一方で、入力ミスや確認漏れが起きやすく、受注残や欠品状況、納期遅延の把握が遅れがちです。受発注管理システムを使えば、情報の分断を解消し、進捗や残数をステータスで可視化することで、現場の混乱を抑えやすくなります。
また受発注管理は「モノの流れ」と「お金の流れ」が密接に結び付く領域でもあります。納品の事実と請求の整合が取れていないと、請求漏れや二重請求、入金消込の手戻りが発生します。システム上で受注から請求までを連動させておけば、どの注文が未出荷か、どれが未請求か、どれが未入金かを把握しやすくなり、業務の精度とスピードを両立しやすくなります。
なお、製品によってカバー範囲は異なります。「受注入力だけ」「受注〜出荷まで」「購買や在庫、請求まで一気通貫」など、機能の広さに差があるためです。自社の課題が受注の取りこぼしなのか、欠品なのか、請求締めの負担なのかを見極めた上で、必要な範囲を満たす受発注管理システムを選ぶことが重要です。
受発注管理システムでできること
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受発注管理システムは、受注から発注、在庫、請求までの情報を一元管理し、業務をスムーズに回すための仕組みです。ここでは代表的な機能として、受発注登録、発注書作成、在庫管理・引当、請求書作成、レポート・分析の5点を紹介します。各業務が連動することで、入力の手間やミス、確認作業を減らしやすくなる点が特徴です。
受発注登録
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受発注登録は、取引先からの受注内容や、仕入先への発注内容をシステム上に記録する機能です。商品名・型番・数量・単価・納期・届け先などを登録し、受注残や発注残としてステータス管理できます。
取引先ごとの単価や掛け率、締め日などの条件をマスタで持てるシステムであれば、入力時に自動反映されるため、転記ミスや入力漏れを防ぎやすくなります。電話やFAX、メールで受けた注文を一元化できるほか、ECやEDIと連携して注文データを取り込める場合もあります。
発注書作成
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発注書作成は、登録した発注データをもとに発注書を作成し、仕入先へ送付する機能です。発注書のフォーマットに沿って、発注先、品目、数量、希望納期、納品先などを自動で差し込み、PDF出力やメール送信まで行える製品もあります。これにより、手作業での書類作成や送付の工数を削減しやすくなります。
発注残や納期回答、分納の状況を履歴として残せるため、納期遅延が起きた際の確認もスムーズです。
在庫管理・引当
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在庫管理・引当は、在庫数量を把握し、受注に対して必要数を確保する機能です。在庫をリアルタイムで管理できれば、欠品を見落として受注してしまうリスクを下げられます。
また引当機能があると、受注が入った時点で在庫を確保し、出荷可能な注文とそうでない注文を切り分けやすくなります。倉庫やロケーション別の在庫管理、ロット・期限管理に対応するシステムもあり、取り扱う商材によって必要な粒度を選ぶことが重要です。
請求書作成
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請求書作成は、出荷・納品の実績データと連動して請求書を作成する機能です。取引先ごとの締め日や支払サイトに合わせて請求をまとめ、請求漏れや二重請求を防ぎやすくなります。
納品書や検収情報と紐付けられるシステムであれば「未請求の納品」や「請求済みだが未入金」といった状態も把握しやすくなります。返品や値引き、相殺などの調整が多い場合は、それらの処理に対応できるかも確認ポイントです。
レポート・分析
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レポート・分析は、受注残、発注残、欠品状況、納期遅延、売上推移などを集計し、状況を見える化する機能です。現場では「どの注文が止まっているのか」「どの商品が欠品しがちか」といったボトルネックを把握しやすくなり、対応の優先順位を付けられます。管理側では、取引先別・商品別の売上や粗利の傾向、在庫回転の状況などを確認でき、改善施策につなげやすくなります。
必要な指標をダッシュボードで確認できるか、CSVで出力して二次分析できるかも、選定時の重要な観点です。
クラウド型受発注管理システムのメリット
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クラウド型受発注管理システムは、インターネット経由でシステムを利用する形態です。自社でサーバーを用意して運用するオンプレミス型と比べ、導入のスピードやコスト面でメリットが出やすく、複数拠点・リモートワークにも対応しやすい点が特徴です。
ここでは、クラウド型ならではの代表的なメリットを整理します。
導入が早い
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クラウド型は、サーバー調達や環境構築が不要なため、導入までの期間を短縮しやすい傾向があります。アカウントの発行や初期設定を行えば利用を開始できるケースが多く、紙やExcel中心の運用から比較的スムーズに移行できます。
特に受注・発注・在庫・請求といった業務は日々止められないため、短期間で稼働させられることは大きなメリットです。拠点や倉庫が複数ある場合でも、同じ環境にアクセスして運用を統一しやすくなります。
初期費用を抑えやすい
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クラウド型は月額課金(サブスクリプション)で提供されることが多く、買い切り型に比べて初期投資を抑えやすい点が特徴です。サーバーやネットワーク機器の購入、ソフトウェアの一括ライセンス費用が不要なため、導入時の負担を軽くできます。
まずは小規模なユーザー数や範囲で始め、運用が安定したら拠点や利用人数を増やすといった段階的な導入もしやすくなります。結果として、導入効果を確認しながら投資をコントロールしやすい選択肢といえます。
保守・運用の負担が軽い
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クラウド型では、システムのアップデートやセキュリティパッチの適用、バックアップなどの保守作業をベンダー側が担う場合が多く、自社の運用負担を軽減できます。オンプレミス型のように、サーバーの監視や障害対応、バージョン管理を自社で行う必要が減るため、情報システム部門の工数を圧縮しやすくなります。
機能改善や法改正対応(税率・帳票要件など)が自動的に反映されることもあり、システムを最新の状態で使い続けやすい点もメリットです。BCPの観点でも、社内設備に依存しにくく、業務継続性を高めやすくなります。
カスタマイズや拡張がしやすい
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クラウド型は、プラン変更やオプション追加によって機能を拡張できる製品が多く、事業の成長や業務の変化に合わせて柔軟に対応しやすい傾向があります。たとえば、取引量の増加に合わせてユーザーを追加したり、倉庫管理や承認ワークフローなど必要な機能だけを段階的に追加したりできます。開発を伴う大規模な改修をしなくても、設定で運用を調整できる範囲が広い点も魅力です。
一方で、個別開発の自由度は製品によって差があるため「設定で対応できる範囲」と「追加開発が必要な範囲」を見極めることが重要です。
他のツールと連携しやすい
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クラウド型はAPI連携やCSV連携に対応している製品が多く、会計ソフト、販売管理、WMS(倉庫管理)、EC、EDI、BIツールなど周辺システムとつなげやすい傾向があります。受注データを自動で取り込み、出荷実績や請求データを会計側へ連携できれば、二重入力や突合作業を減らし、業務全体の効率化につなげられます。マスタ(取引先・商品・単価など)の同期ができるかどうかも、連携の実用性を左右するポイントです。
既存システムをすぐに置き換えられない場合でも、連携を前提に段階的に業務をつなげられることは、クラウド型の大きな強みです。
クラウド型受発注管理システムの選び方
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クラウド型受発注管理システムは製品ごとに得意分野や機能範囲が異なるため「何を改善したいのか」「どこまでをシステムで管理したいのか」を明確にした上で比較することが重要です。特に受発注業務は例外処理が多く、現場の運用に合わないと定着しにくいため、選定プロセスを踏んで確実に絞り込む必要があります。
ここでは、選び方を5つのステップで整理します。
1.導入の目的を定める
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最初に、導入の目的を具体化します。例えば「受注入力の転記ミスを減らしたい」「欠品を減らし納期回答を早くしたい」「請求漏れを防ぎ締め作業を楽にしたい」など、現場で困っていることを起点にすると要件がぶれにくくなります。
次に、改善したい指標も合わせて設定します。受注処理にかかる時間、出荷ミス件数、在庫差異、月末の締め作業時間などを事前に把握しておくと、導入後に効果を評価しやすくなります。
さらに、対象範囲(受注〜出荷までか、発注や請求まで含めるか)と、利用部門(営業・購買・倉庫・経理など)を決めておくことも重要です。
2.必要な機能を洗い出す
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目的が定まったら、業務フローに沿って必要な機能を洗い出します。ここでは、単に「在庫管理ができる」ではなく「引当が必要か」「倉庫別に見たいか」「ロット・期限が必要か」など、求める粒度まで落とし込むことがポイントです。また例外処理への対応可否も確認が欠かせません。
分納、返品、値引き、相殺、直送、同梱など、自社で頻繁に発生するケースを整理しておくと、比較時の抜け漏れを防げます。機能は「必須」「できれば欲しい」「不要」に分類し、比較表に落とし込める状態にしておくと判断がスムーズです。
3.候補をリストアップする
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要件が固まったら、候補となる製品を幅広くリストアップします。比較の出発点として、業界実績(同業・同規模での導入例)や、対応できる取引形態(BtoBの定期取引、スポット取引、EC併用など)を確認すると絞り込みやすくなります。
併せて、既存システムとの連携可否も早い段階で見ておくべきです。会計ソフト、販売管理、WMS、EC、EDIなど、すでに使っているツールがある場合、連携できないと二重入力が残り、導入効果が限定されることがあります。候補を並べる段階では、機能面だけでなくサポート体制や導入支援の範囲も併せて確認しておくと安心です。
4.コストや性能を比較・検討する
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候補が出そろったら、コストと性能を同じ尺度で比較します。コストは月額費用だけで判断せず、初期設定費用、導入支援費用、データ移行費用、オプションまで含めた総コストで見積もることが重要です。性能面では、操作性や処理速度、権限設定、履歴管理、承認ワークフローなど、現場での使い勝手を重点的に確認します。
またセキュリティや、稼働率・障害時対応などの信頼性も比較対象です。可能であれば、複数の担当者が同じシナリオでデモを見て評価することで、主観のぶれを減らせます。
5.トライアルで検証し導入を決定する
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最後は、トライアルやPoCで「実運用に耐えるか」を確認し、導入可否を判断します。デモでは良く見えても、実際の取引先条件や例外処理、帳票の要件を当てはめると運用が回らないケースがあるためです。代表的な取引先・商品を使い、受注→在庫引当→出荷→請求まで一連の流れを通して、現場が迷わず操作できるかを確認します。
併せて、データ移行の難易度と、教育・定着の計画も詰めておくと導入後の混乱を抑えられます。最終的には、目的に対する効果、総コスト、運用の回しやすさ、サポート体制のバランスを見て、採用するシステムを決定します。
まとめ
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受発注管理システムは、受注・発注・在庫・請求といった一連の業務を同じデータでつなぎ、ミスや手戻りを減らしながら業務を効率化する仕組みです。特にクラウド型は、導入が早く初期費用を抑えやすい点に加え、保守・運用の負担軽減や拡張性、他ツールとの連携のしやすさといったメリットがあります。
一方で、製品ごとに機能範囲や得意分野が異なるため、選定時は「導入目的の明確化→必要機能の整理→候補の洗い出し→コストと性能の比較→トライアルでの検証」という手順で進めることが重要です。現場の例外処理や既存ツールとの連携まで見据えて選べば、定着しやすく、受発注業務の改善効果も得られやすくなります。
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- クラウド販売管理システム【s-flow】コラム編集部
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