コラム 「自己流エクセル」を捨てて「販売管理クラウド」に移行するメリットとデメリット

どの企業にも、エクセルの達人と呼ばれている社員がいるものです。
達人がつくるエクセルはまるでシステムのように動き、データが次々処理されていきます。
しかもエクセルはほぼ無料で使えるので、これで用が足りればそれに越したことはありません。

しかし、自己流エクセル・システムでは、処理するデータが増えたり、複雑な取引を扱うようになったりすると、いずれ限界を迎えるでしょう。
限界を迎えやすいのは、販売管理、仕入管理、在庫管理、入出金管理の業務です。これらの仕事は、取引先が増え、取り扱う商品が増え、取引額が増えると複雑化するので、エクセルでは処理が追いつきません。
成長が見込まれる企業様や事業規模を拡大している企業様には、システムに移行することをおすすめします。

そして販売管理などのシステムを導入するなら、クラウド型がよいでしょう。その理由もあわせて解説します。

販売管理クラウドを導入するメリット

  • クラウド型の販売管理、仕入管理、在庫管理、入出金管理システム(以下、販売管理クラウド)を成長企業様におすすめするのは、1)事務担当者の負担が減り、2)生産性が向上するからです。
    これはすべてのIT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)化に共通することですが、販売管理クラウドの導入でも、従業員の負担が減り自社の利益が増えます。

    ではなぜ、自己流エクセル・システムを捨てて、販売管理クラウドに移行すると、事務担当者の負担が減って企業の利益が増えるのでしょうか。
    販売管理クラウドが企業にもたらすメリットを紹介します。

販売、仕入、在庫、入出金が一元管理できる

  • 販売、仕入、在庫、入出金をまとめて処理できる販売管理クラウドを導入すれば、これらの仕事を一元管理できます。
    システムが必要になるほど販売、仕入、在庫、入出金の仕事が難しくなるのは、企業のなかで商品が複雑に移動するからです。そして、商品が移動するたびに事務作業が発生し、お金が動きます。

    つまり販売、仕入、在庫、入出金の一元管理とは、商品の移動と多種多様な事務作業とお金の流れを1つのシステムで管理できるということに他なりません。
    1カ所で全体を管理すれば、複数個所で全体を管理するより効率的に業務を進めることができます。

    以下の図は、弊社の販売管理クラウド「s-flow」が管理できる業務です。

  • これだけの仕事を、1つのシステムで管理できます。

    商品を仕入れるには仕入先に発注書を送って発注する必要があります。その後、商品が入荷して倉庫に保管します。(得意先に直送することもあります)
    得意先から注文の相談があると、得意先に見積書を提出して価格や数量などを確認します。契約が成立して正式に受注できると、倉庫に出荷指示を出し出荷します。
    商品を出荷したら、得意先に請求書を送ります。
    そしてこの間、仕入先に支払いが発生したり、得意先から入金が発生したりします。つまり、お金が動きます。

    この複雑な流れを1人の人が、何も持たずに追うことは不可能です。
    しかし販売管理クラウドを導入すれば、1人の事務担当者が自分のパソコン内で、この流れをすべて追うことができます。
    もちろん実際は、複数の部署の複数人たちで作業することになります。それでも全員が1つの販売管理クラウドを使っているので、全員が他の人の作業を知ることができます。
    そして販売管理クラウドの「すごいところ」は、これを使って業務ができることです。発注書や見積書や納品書や請求書など帳票の出力も、販売管理クラウドでできます。

事務担当者の生産性が格段に上がる

  • 販売管理クラウドを導入すると、事務担当者の生産性が格段に上がるでしょう。
    そして営業担当者も販売担当者も経理担当者も倉庫の作業員も事務処理をするので、広い意味で事務担当者になります。
    つまり販売管理クラウドは、これを使うすべての部署の生産性を高めることになります。

    なぜ生産性が向上するのでしょうか。
    それは、販売管理クラウドを企業に導入すれば、販売、仕入、在庫、入出金の業務にかかわるすべての人が同じシステムを使い、同じデータを扱うからです。

    生産性が低下するのは、前工程と自分の工程と後工程の連携がうまくいかないときです。前工程と自分の工程と後工程で、それぞれが異なるシステムを持っていると作業の分断が起きてしまい、連携させるのに時間と手間がかかり生産性が落ちます。自己流エクセル・システムの最大の欠点は、他部署の業務と連携させづらいところです。

    販売管理クラウドを導入すれば、自分がすべき作業も前工程と後工程の人たちが行っている作業もみえるので連携がスムーズにいき、作業の分断が起きず、時間と手間を減らすことができます。

ミスが減る

  • 1つのミスは3つの損失を生みます。それは、1)ミスそれ自体が生む損害、2)ミスの原因を特定する労力、3)ミス対策を講じる手間の3つで、事業規模が大きくなると2)と3)の損失が大きくなります。

    事業規模が大きくなると、商品の流れが複雑になるので、どこでミスが発生したのか特定するのに時間がかかります。販売、仕入、在庫、入出金にかかわるすべての部署の担当者に「ミスが発生したかどうか」を尋ねなければなりません。
    そしてミスを特定できたら対策を講じなければなりませんが、1つの部署の作業を変えると他部署にも波及するので、やはり周囲の手をわずらわせて対応することになります。

    販売管理クラウドを導入すれば、誰がいつ何をしたのかがわかるので、ミスの発生場所をすぐに特定できるでしょう。
    また、自分の作業だけでなく、前工程や後工程の作業もみえるので、ミスが発生しそうになったら注意喚起することができますし、注意喚起してもらうこともできます。したがって販売管理クラウドは、ミスを予防することもできます。

社内のDX化の1歩目になる

  • 経済産業省は企業のDX化について次のように述べています。

    「あらゆる産業において、新たなデジタル技術を使ってこれまでにないビジネス・モデルを展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起ころうとしています。こうしたなかで、各企業は、競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことが求められています。」

    DX化に取り組まないと「既存システムの維持、保守に資金や人材を割かれ、新たなデジタル技術を活用したIT投資にリソースを振り向けることができないといった問題」(経済産業省)が起きるからです。
    販売管理クラウドの導入は、DX化の大きな1歩になります。つまり企業は、競争力を維持・強化することができます。

    出典:経済産業省ウェブサイト

クラウドだから

  • これから新たに販売管理システムを導入するなら、クラウド型がよいでしょう。
    販売管理システムを更新するときも、クラウド型をおすすめします。

    クラウドには、1)自社にサーバーを置かなくてよい、2)自社でシステムやソフトを管理・更新しなくてよい、3)導入コストが安い、4)ネットワーク障害などのトラブル発生時も自社で対応しなくてよい、というメリットがあります。

    自社にサーバーを置いて社内のシステムを動かす方法をオンプレミス型というのですが、これは導入コストが高く、面倒な管理が常につきまといます。
    大企業が大規模システムを動かす場合はオンプレミス型でもメリットが出る場合がありますが、そうでないのであればクラウド型のほうが有利です。

売上も利益も増える

  • 販売管理クラウドを導入すれば、売上や利益を増やすチャンスが多くなります。
    「システムを導入しただけで売上と利益があがるのか」と感じるかもしれませんが、あがります。

    まず、販売管理クラウドを導入すると利益率を低下させる無理・無駄・ムラが減るので、企業は「稼ぎやすい」体質に変わります。
    また、ミスによる損失はコストの押し上げ要因であり、利益の押し下げ要因でもあるので、販売管理クラウドでミスを減らせばコストダウンと利益増の両方を達成できます。

    そして販売管理クラウドによって販売、仕入、在庫、入出金の業務を担当する部署の連携が取れるようになるので、ビジネスチャンスをつかみやすくなり機会損失を減らすことができます。

    経営者や管理職は販売管理クラウドによって社内の動きを把握できるので、経営判断や事業判断を下しやすくなります。経営のスピード化を実現でき、これはシェアや売上高の拡大に貢献するはずです。

販売管理クラウドのデメリットをあえてあげるなら

  • 販売管理の生産性を高めたいと考えている担当者や企業が、販売管理クラウドを導入してデメリットを感じることはないでしょう。
    しかしそれでもあえてデメリットを挙げるとすれば、1)コストがかかる、2)スキルの獲得が必要、3)便利すぎてエクセルに戻れない、の3項目になります。

コストがかかる

  • エクセルは大抵どのパソコンにも入っているので、自己流エクセル・システムで仕事を進めていればコストはほとんどかかりません。
    しかし販売管理クラウドは有料です。
    無料が有料になることはデメリットでしょう。

操作スキルを獲得しなければならない

  • 自己流エクセル・システムは、自分でつくっているので「使いやすい」と感じているでしょう。
    これを販売管理クラウドに置き換えると、新たにこのシステムを操作するスキルを身につけなければなりません。
    業務スキルの獲得も仕事の1つなので、販売管理クラウドの導入は事務担当者の仕事を増やすことになります。

一度使ったらエクセルに戻れない

  • 販売管理クラウドはインターフェースも優れているので、これを使った作業に慣れると、自己流エクセル・システムに戻れなくなるでしょう。
    また、販売管理クラウドは機能のバージョンアップがあるので使えば使うほど便利になりますが、エクセルでは機能のカスタマイズに限界があります。

販売管理クラウド「s-flow」の特長

  • 当社コデックスは「s-flow」をつくるとき、先ほど紹介したメリットをすべて盛り込むようにして、デメリットを可能な限り排除するようにしました。
    また、様々な機能が使えて一律の2,800円という料金設定を実現しています。

メリットを「s-flow」にすべて盛り込みました

  • 先ほど、販売管理クラウドのメリットを紹介しましたが、「s-flow」を導入した企業様は、そのすべてのメリットを享受できるはずです。
    「s-flow」は仕入管理、在庫管理、販売管理、入出金管理が「s-flowだけで」できるシステムだからです。

「s-flow」はデメリットを最小限にしました

  • 先ほど販売管理クラウドには1)コストがかかる、2)操作スキルを獲得しなければならない、3)エクセルに戻れない、の3つのデメリットがあると紹介しました。
    「s-flow」はこれらのデメリットを最小限にしました。

    「s-flow」は、初期費用無料で、1ユーザー当たり月額2,800円で利用できます。この金額なら、事務コストを厳しく管理している企業様にも納得していただけると思います。

    操作性についてですが、「s-flow」はパソコンに不慣れな方でも直感的に操作できるよう、インターフェースを工夫しています。自己流エクセル・システムを構築できるような方なら、「s-flow」に触れていただければ、すぐに自由自在に操れるようになるはずです。
    またメールやチャットでのサポートは無料で行っています。

    「s-flow」を使っていただければ、自己流エクセル・システムをつくった方も納得していただけるはずです。「エクセルに戻ろう」と思わなくなるはずです。

バージョンアップが早く、API連携機能も搭載

  • 「s-flow」にはさらに、バージョンアップが早い、API連携機能を搭載している、という特長があります。

    「s-flow」は日々進化しています。当社はユーザー企業様から使用状況をうかがい、使いづらい点や「あったらいいな」と感じている点を次のバージョンアップに反映させています。
    バージョンアップした「s-flow」はより高機能になるわけですが、ユーザー企業様は同じ料金で使うことができます。
    また「s-flow」はクラウドで提供しているので、バージョンアップした翌日から、すべてのユーザー企業様が一斉に「新s-flow」を使うことができます。

    ユーザー企業様からの要望で生まれた新機能もあります。その代表がAPI連携機能です。
    API連携とは「s-flow」と他社のシステムをつなぐことです。
    「s-flow」は、会計アプリfreeeやネットショップアプリBASEと連携させることができます。

まとめ

  • 販売管理クラウドのメリット・デメリットと、「s-flow」について解説・紹介しました。
    かつて、企業の事務所で1台のパソコンを複数人で共有していたころは、エクセルを使った処理を「IT化」と呼んでいました。
    しかしパソコン1人1台時代になった現在では、エクセルだけを使った作業は「手作業のようなもの」とみなされています。それは、システムが高度化、細部化して、システムを使った作業の生産性が飛躍的に向上したからです。
    優れたシステムは、自己流エクセル・システムの処理能力を超えます。
    DX化の必要性が高まっている今、販売管理クラウドに移行する好機といえるでしょう。