コラム 出荷指示書とは? 役割や主な記載項目、出荷の業務フローを解説

投稿日:2026/01/19
最終更新日:2026/01/19

ECサイトや卸売、店舗販売など、多くのビジネスでは日々さまざまな商品が出荷されます。その現場で欠かせないのが「出荷指示書」です。出荷指示書は、受注内容をもとに倉庫へ「いつ・誰に・何を・どれだけ」出荷するのかを正確に伝える社内文書で、ピッキングから梱包、配送準備までの作業をスムーズに進めるための重要な役割を担います。

また、出荷伝票・納品書との違いを理解しておくことで、出荷ミスの防止や在庫管理の精度向上にもつながります。

本記事では、出荷指示書の基礎から役割、記載項目、業務フローまでを分かりやすく解説します。

この記事で分かること
● 出荷指示書の意味と、出荷伝票・納品書との明確な違い
● 出荷作業を効率化しミスを防ぐために、出荷指示書が果たす役割
● 出荷指示書に含めるべき項目と、実務で使う具体的な業務フロー

出荷指示とは?

  • 出荷指示書とは、受注内容をもとに「いつ・誰に・何を・どれだけ」出荷するのかを倉庫へ指示するための社内文書です。ピッキングや梱包、出荷スケジュールを明確化し、出荷ミスの防止と作業効率化に大きく貢献します。

    近年では、販売管理システムから自動作成されるケースも多く、標準化されたフォーマットで出荷業務全体をスムーズに進めるための基盤となっています。

出荷伝票との違い

  • 出荷指示書と出荷伝票は名称が似ていますが、用途も利用者もまったく異なります。出荷指示書は倉庫担当者向けの社内用書類で、ピッキング作業や梱包作業の指示に使われます。

    一方、出荷伝票は顧客や配送業者に渡す商品伝票で、出荷内容を外部へ示し、誤配送を防ぐ役割を持ちます。つまり、出荷指示書=社内向けの作業指示書、出荷伝票=外部向けの商品情報伝票という違いがあります。

納品書との違い

  • 納品書は、商品に同梱される「明細確認書」であり、顧客が受け取った商品内容を確認するための文書です。一方、出荷指示書は社内でのみ使用される倉庫向けの作業指示書で、納品書とは役割も対象者も完全に異なります。

    納品書は顧客向け、出荷指示書は倉庫担当者向けという明確な区分があり、後続のピッキング・梱包・検品作業を正確に進めるために欠かせない社内文書です。

出荷指示書の役割

  • 出荷指示書は、受注から出荷完了までの流れを正確かつ効率的に進めるために欠かせない重要な業務文書です。倉庫担当者が迷うことなく作業に取りかかれるよう、必要な情報が整理された形で提供されるため、現場の作業手順を標準化し、物流品質の底上げに大きく貢献します。

    また出荷ミスの予防、納期管理の徹底、在庫精度の向上といった、企業の物流運営に関わる多方面の課題解決にも役立ちます。正確な出荷指示書が存在するかどうかで、倉庫の作業効率だけでなく顧客満足度や会社全体の信頼性にも大きな差が生まれます。

出荷作業の円滑化

  • 出荷指示書には、商品情報や数量、作業手順が明確に記載されているため、誰が作業しても同じ基準で出荷作業を進められるようになります。担当者によって判断が分かれてしまう状況を防ぎ、現場の作業のばらつきを最小限に抑えることで、出荷のスピードと正確性が向上します。

    また出荷スケジュールが事前に可視化されていることで、納期を守るための作業計画が立てやすくなり、繁忙期でも効率的な業務運営が可能です。さらに、商品名やロケーション(保管場所)が記載されていることで、ピッキング時の探索時間を削減し、倉庫内の動線も最適化され、全体の作業効率が大きく向上します。

出荷ミスの防止

  • 出荷指示書には、商品名や数量、サイズ、届け先情報など、誤配送を防ぐために必要な情報が網羅されています。この情報をもとにピッキングや梱包を行うことで、取り違いや数量不足といった代表的な出荷ミスを防止できます。

    さらに、出荷品と出荷指示書の内容を照合することで、検品作業がスムーズに行われ、発送前の最終チェックがより確実になります。情報が整理された状態で提供されるため、現場の負担が軽減されると同時に、ダブルチェック作業も効率化され、結果としてクレームや返品率の低下にもつながります。

在庫や作業進捗の管理

  • 出荷指示書に基づく作業内容がシステムに反映されることで、在庫データの精度が高まり、リアルタイムで正確な在庫数を把握できるようになります。これにより、在庫不足を早期に察知し、発注や仕入れの判断を迅速に行うことが可能となります。

    また出荷作業がどの段階まで進んでいるのかを可視化できるため、営業や管理部門との情報共有がスムーズとなり、部門間の連携が強化されます。作業の遅延ポイントやボトルネックを把握しやすくなるため、業務改善サイクルを回しやすくなる点も大きなメリットで、全体の業務効率化と生産性向上につながります。

出荷指示書の主な記載項目

  • 出荷指示書には、出荷作業を正確かつ効率的に進めるための情報が整理されています。最低限必要な情報に加えて、倉庫作業をさらに円滑にするための項目を記載しておくことで、ミスの防止や作業効率の向上に役立ちます。

    ここでは、出荷指示書に含めるべき主な項目について解説します。

最低限含めるべき項目

  • まず、出荷指示書として必ず記載すべき基本項目です。

    項目 内容・目的
    出荷指示番号 受注情報との紐づけに使用する固有番号。照合作業に必須。
    出荷先情報(顧客名・住所・連絡先) 誤配送を防ぐための基本情報。配送先を正確に指定。
    出荷日(納品希望日) 納期管理や作業の優先順位づけに必要。
    商品名 正式名称で記載し、ピッキングミスを防止。

    出荷指示番号は受注情報との紐づけに使われる固有番号で、照合作業に欠かせません。出荷先情報(顧客名・住所・連絡先)は誤配送を防ぐための重要なデータです。

    また、出荷日(納品希望日)を明記することで納期管理が容易になり、作業の優先順位づけにも役立ちます。さらに、ピッキングミス防止のために商品名は正式名称で記載し、数量も明確にして数え間違いや不足を防ぐ必要があります。これらの項目は出荷作業の基本精度を左右する必須情報です。

作業を円滑にするための追加項目

  • 基本項目に加え、倉庫内作業をよりスムーズに進めるための追加情報も重要です。

    項目 内容・目的
    保管場所(ロケーション) 棚番号・エリアを示し、ピッキング作業を迅速化。
    備考・注意事項 「割れ物注意」「ギフト包装」など特記事項を記載。
    ピッキング担当者名 担当者の特定が可能になり、ミス発生時の原因追跡に有効。
    発行日 情報の鮮度確認・データ管理に使用。
    商品コード(SKU) 類似商品の識別や誤出荷防止に役立つ。

    例えば、保管場所(ロケーション)を記載すれば、担当者が棚番号やエリアをすぐに把握でき、ピッキング時間を大幅に削減できます。また、「割れ物注意」「ギフト包装」などの備考・注意事項は、特別な対応が必要な商品へのミスを防ぎます。

    さらに、ピッキング担当者名を記載することで、担当の特定やトラブル発生時の原因追跡が容易になります。そのほか、情報の鮮度を確認するための発行日や、商品識別に役立つ商品コード(SKU)も誤出荷防止に有効です。

    これらの追加項目を加えることで、より正確で効率的な出荷作業が実現します。

出荷指示書を用いた基本の業務フロー

  • 出荷指示書は、受注から出荷完了まで続く一連の作業を正確かつ効率的に進めるための中心的な役割を担います。出荷作業は複数の工程が連動しているため、どこか一つでも情報に誤りや漏れがあると、出荷遅延や誤配送などのトラブルにつながりかねません。そこで、出荷指示書を軸に情報を統一し、関係部門で正確に共有することが重要です。

    以下では、出荷指示書を活用した代表的な業務フローを、8つのステップに分けて詳しく解説します。

1.受注

  • 出荷業務の起点となるのが、顧客からの注文受付です。注文は電話、FAX、メール、ECサイトなど多様なチャネルから入ってくるため、まずはその内容を漏れなく記録することが不可欠です。

    顧客情報や商品名、数量、納期、配送先といった基本情報に誤りがあると、その後のピッキングや配送に影響が生じます。したがって、この段階での情報精度は非常に重要であり、受注担当者は確認作業を徹底する必要があります。

2.出荷指示書の作成

  • 受注内容をもとに、出荷条件を整理し「誰に」「何を」「どれだけ」「いつまでに」出荷するのかを明確化します。出荷指示書は、その後の倉庫作業の基準となるため、数量や希望納期の入力ミスは致命的です。

    販売管理システムを利用すれば、受注データから自動生成が可能となり、手入力によるミスを大幅に削減できます。また、出荷状況に応じて修正が必要になるケースもあるため、デジタル管理の相性が良い工程でもあります。

3.倉庫担当者への指示

  • 作成した出荷指示書は倉庫部門へ共有します。倉庫担当者はこの指示書を基に、出荷対象の商品や納期、特記事項などを把握します。紙の指示書だけでなく、システム上でリアルタイムに共有できれば、急な注文変更やキャンセルにも迅速に対応できます。情報共有の正確さがその後の作業効率に直結します。

4.在庫の引き当て・ピッキング

  • 出荷指示書を確認しながら、まずは該当商品の在庫を確保する「引き当て」を行います。これにより、同時進行している他の出荷案件との重複出荷や在庫不足を未然に防止できます。

    続いて、倉庫内の棚やロケーション情報をもとに商品を探し、出荷エリアへ移動させる「ピッキング」を実施します。ロケーションが明確であれば、無駄な移動が減り、作業スピードが大幅に向上します。

5.検品

  • ピッキング後、出荷指示書と実物を照合し、商品名・数量が正しいか、破損・汚損がないか、ラベルが正常かなどを細かく確認します。

    検品工程は、誤出荷や不良品の発送を防ぐための最終チェックとも言える重要なプロセスです。ここでの確認不足は、返品対応やクレームにつながるため、丁寧な作業が求められます。

6.梱包

  • 検品を通過した商品は、輸送中の破損を防ぐため、適切な資材で梱包します。緩衝材の配置や外箱の選定、注意ラベルの貼付など、扱う商品の特性に応じた工夫が必要です。

    顧客からギフト包装や個別梱包の指定がある場合は、出荷指示書の備考欄を確認しながらミスなく対応します。

7.配送準備・出荷

  • 梱包が完了したら、配送業者向けの送り状を作成します。送り状には顧客情報や追跡番号が含まれるため、記載ミスがあると配送遅延や誤配送の原因となります。準備した荷物を配送業者に引き渡し、集荷が完了した時点で出荷作業は一区切りとなります。

8.出荷完了報告

  • 出荷後は、営業・経理・カスタマーサポートなどの関係部署へ出荷完了を知らせます。同時に、システム上でステータスを「出荷済み」に更新し、在庫数量も反映させます。

    さらに、顧客へ追跡番号を通知することで、配送状況を自分で確認できるようになり、安心感の提供や問い合わせ対応の削減につながります。

まとめ

  • 出荷指示書は、受注内容をもとに「誰に・何を・どれだけ・いつまでに」出荷するのかを正確に伝えるための、出荷業務の核となる文書です。出荷伝票や納品書とは役割が異なり、社内の倉庫作業を統一し、ピッキング・検品・梱包・出荷までの工程をスムーズに進めるために欠かせません。また、出荷ミスの防止、在庫や作業進捗の正確な把握など、物流品質の向上にも大きく貢献します。

    出荷指示書を活用した業務フローを整備することで、現場の負担軽減や納期遅延の防止、顧客満足度の向上が期待できます。

    さらに出荷業務を効率化したい場合は、クラウド販売管理システム「s-flow」の導入も有効です。指示書の自動作成や在庫反映、出荷状況の管理が一つのシステムで完結します。

●コラム執筆者
クラウド販売管理システム s-flow
  • クラウド販売管理システム【s-flow】コラム編集部
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